【会計info】内部統制とは
▽内部統制って、結局なんだ!?
世間では「内部統制」「SOX」と叫ばれ続けております。近年の相次ぐ不正会計事件や不祥事事件をうけて、投資家を保護すべく、上場企業やそのグループ企業において2009年3月期以降から「内部統制監査」が実施されるためです。
しかし、内部統制の本質とは何なのかについて理解されている方は少ないようです。
ある上場企業でこのような不祥事がありました。一営業担当者が単独で会社印鑑を偽造し、顧客へ架空の権利を売却する契約書を作成・締結、代金を現金で回収し、約7千万円を懐に入れていたのです。このような不正・不祥事はどこの会社においても起こりうる典型的な「内部統制の弱点」であり、このような不正・不祥事を起きないよう会社や投資家等を保護していく仕組みを作っていくことが「内部統制の構築」なのです。
▽内部統制=文書化ではない!
「内部統制の構築」というと、業務フローチャートを作成したり、規程やマニュアルを作成したりと、いわゆる「文書化」作業をすることだと思われている方が多く見うけられます。しかし、どれだけ一生懸命「文書化」を行っても、不正・不祥事を減らすことができるわけではありません。例えば、雪印乳業で食中毒事件が発生しましたが、当時雪印には食中毒の対応マニュアルは存在していたようです。しかし、マニュアル通りに役員や管理職レベルの方が対応できなかったことが1万人を超える戦後最大の集団食中毒事件へと発展し、ブランドイメージも信頼も失墜しました。
▽経営者に本当に必要なこと
97年の山一證券事件を皮切りにこの10年間に信じられない数の会計不正が行われてきた中で、投資家を保護する目的から「内部統制監査」は義務付けられました。しかし、当然のことながら投資家だけを保護すれば良いのではありません。会社は、従業員・顧客・取引先などステークホルダーが存在するから成立するものです。今の経営者に求められていることは、このステークホルダーを保護していく姿勢です。雪印に限らず、不二家、ミートホープ、「白い恋人」の石屋製菓など、経営者は利益を追求するあまり、顧客の喜ぶ笑顔など思い浮かべたことはなかったのでしょう。P.ドラッカーは「経営とは、人を通して正しいことを行うこと」と言っています。形式的なマニュアル作りに追われるのではなく、経営者が正しい倫理的価値観をもつこと、それを役職員にも浸透させることが何よりも重要なのです。

