2008年08月号

【会計info】 リース会計基準、リース税制が変わる!

リース会計基準、リース税制が変わる!

平成20年4月1日以後開始する事業年度から新リース会計基準が適用されます。また、平成20年4月1日以後締結したリース契約から新リース税制が適用されます。
 従来のリース会計基準は、所有権移転外ファイナンス・リース取引について、賃貸借処理を例外的に認め、ほとんどの企業が資産・負債をオフバランスにしてきました。法人税法上も、従前は、所有権移転外ファイナンス・リース取引は賃貸借処理が原則でした。
 新しい基準の適用後は、会計上も税務上も原則としてすべてのファイナンス・リース取引は売買処理として処理することとなります。つまり、ファイナンス・リース取引に関する資産・負債がオンバランスされることとなります。

ファイナンス・リース取引の表示と注記

リース資産は、原則として、一括して「リース資産」として表示することになります(但し、有形固定資産または無形固定資産の各科目に含めることも認められる)。減価償却累計額は、間接控除形式(減価償却累計額により表示)だけでなく、直接控除形式による表示も認められます。リース債務については、ワンイヤールールにより流動負債もしくは固定負債に「リース債務」として表示します。
 所有権移転外ファイナンス・リース取引を売買処理した場合においても、リース資産についてその内容(主な資産の種類等)及び減価償却の方法を注記することになります(但し、重要性が乏しい場合は省略可能)。
 新リース会計基準に係る会計処理と開示の全体像を以下の図に示したので参照下さい。

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【出所】弊社配信 情報提供サイト「リガヤフレームワーク」より

2008年07月号

【会計info】7月号お休み

本誌特別企画により【会計info】はお休みです。

2008年06月号

【会計info】 会計士はなぜ4年で辞めるのか?

会計士はなぜ4年で辞めるのか?

城繁幸氏のベストセラー『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)によると、最近の若者の3人に1人は新入社員として入社した会社を3年以内に辞めるようです。このデータには大変驚かされた方も多いと思います。しかし、私(武田)が勤務していた監査法人では、3年で辞めた者はいなかったものの、4年で辞めた者は同じ部署の同期11名中9名(82%)。当時の制度では、3年のインターンを経て、最短で入社4年目に公認会計士登録ができたことに因ります。では、なぜ会計士は4年で監査法人を辞めるのでしょうか?
 平成20年4月、日本公認会計士協会近畿会が会員の会計士へ行った『「勤務実態及び監査業務への意識」に関するアンケート結果』を公表しました。この結果発表は非常に興味深いものでした。

監査実務の実情

業務の繁忙期における平均的な1日の勤務時間は、10時間以上と答えた人が84.7%(うち、12時間以上と答えた人も49.2%)。繁忙期に休日出勤すると答えた人は84.4%。4月や10月の繁忙期においては、休日もなく、毎日残業という会計士が多いものと推測されます。私自身も繁忙期は、自宅から電車で30分程の場所にあるクライアント本社の近くにあるビジネスホテルで1週間宿泊したことがありました(チェックインは毎日午前3時以降でした)。
 仕事量と給与水準との見合いについては、「やや見合っていない」「全く見合っていない」と答えた人が全体の49.1%。ちなみに、監査法人では若くして管理職(マネージャー等)になる人が多いことから、残業代が支給されないという人が全体の54%。給与面だけみても、仕事に対するモチベーションを維持することが難しいのではないかと思われます。
 但し、繁忙期が忙しいことや、仕事量と給与水準との見合いについては、今も昔も大差はなく、会計士が監査法人を辞める大きな原因とはいえないでしょう。問題は、次の質問に対する回答ではないかと思います。「監査業務を行う中での不満足要因は何ですか」という質問に対する回答に、ここ数年の監査実務における特徴が大きく表れています。

「形式的な(調書)書類作成が多すぎる」と回答した人が78.1%、「間接業務が多い」と回答した人が63.7%、「時間に余裕がない」と回答した人が56.5%、「こなす作業が多く、時間がない」と回答した人が47.4%、と多忙過密な実情に異を唱える回答が続きますが、特に上位2つの回答を見る限り、前向きではない仕事に対して不満をもっている会計士が余りにも多いということが分かります。これは、近年、提携先の国際会計事務所が定めた様式による調書作成を求められたり、調書の電子化が進んだり、レビューが厳格化していることなどが重なり、従来からは考えられない監査調書の量と質が求められていることによります。調書を作成するためだけに休日出勤するという会計士も多いのではないかと思います。このような状況では、当然のことながら仕事に対する「やりがい」は低減することになります。「やりがい」の低下が若手会計士の現場離れの原因の一つになっていると推測されます。

監査のやりがいを取り戻せ!

会計士が監査に対する「やりがい」を失っていることは健全な証券市場の発展を考えると切実な問題として考えなければなりません。「監査業務を行う中で、公認会計士としてやりがいを感じることは何か」という質問に対する回答で、最も多かったのは「クライアントからの信頼に答えた満足感」(59.1%)でした。どんなに忙しくても、残業代が少なくても、クラアントの信頼に応えるということは監査人にとって最も嬉しいことです。
しかし、証券市場における不正や不祥事が続出したことによる業界の信頼回復に向けた一連のアクションが、監査の形式化・形骸化、監査リスクの高い業務への過剰な消極的姿勢、それに伴うクライアントへの指導的機能の抑制等につながり、会計士のやりがい低下を招いているともいえるでしょう。「人不足」を解決するために会計士試験の合格者を倍増させましたが、これでは根本的な問題解決になりません。社会のニーズに即した質の高い監査が実施されるよう、1から監査環境を整備し直さなければならない時にきているのではないでしょうか。

2008年05月号

【会計info】 まったく新しい会計情報サイト「リガヤフレームワーク」オープン!

毎月毎月公表される新会計基準。主要な会計基準を収録した「監査小六法」(平成20年版、中央経済社)も3000ページを超えるようになり、会計専門家でもキャッチアップが困難になってきています。
そこで、当社では、あらゆる会計基準を「1枚」の図解により表現した、新しい情報提供サイト「リガヤフレームワーク」をオープン致しました。
fw.gifリガヤフレームワーク」は、コンサルティングファームの株式会社LDSS(京都市)とのコラボレーションにより、当社の公認会計士・税理士があらゆる会計情報を整理し、「1枚」にシートにフレームワーク化し、「新しい知識」として情報を供給しようとする情報提供サイトです。

リガヤフレームワーク
会計基準を図解により表現し、右脳で「見る!」、本質を「理解する!」
まったく新しい会計情報サイトです!

2008年04月号

【会計info】 続・会計基準のキャッチアップを!

続・会計基準のキャッチアップを!

前号では「平成20年4月1日以降に適用される新会計基準」の概要をまとめましたが、今回は「平成20年3月期から適用される新会計基準」(平成19年4月1日以降に適用される新会計基準)をまとめました。決算の際に、漏れがないかのチェックリストとしてご活用下さい。

平成20年3月月期より適用される新会計基準

強制適用される基準

1.ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い(実務対応報告第17号)
2.退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い(改正実務対応報告第2号)
3.「退職給付に係る会計基準」の一部改定(その2)(企業会計基準第14号)
4.一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針(企業会計基準適用指針第15号)
5.払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理(企業会計基準適用指針第17号)
6.金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号)、同適用指針、同Q&A
7.信託の会計処理に関する実務上の取扱い(実務対応報告第23号)
8.租税特別措置法上の準備金及び特別法上の引当金又は準備金並びに役員退職慰労金等に関する監査上の取扱い
9.減価償却に関する当面の監査上の取扱い(監査・保証実務委員会報告第81号)
10.連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書に作成に関する実務指針(会計制度委員会報告第8号)


早期適用可能な基準

1.棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)
2.排出権取引の会計処理に関する当面の取扱い(改正実務対応報告第15号)
3.リース取引に関する会計基準(企業会計基準第13号)
4.連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い(実務対応報告第18号
5.関連当事者の開示に関する会計基準(企業会計基準第11号)
6.企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(改正企業会計基準適用指針第10号)



この中でも、特に多くの会社に影響を与えそうなのは『減価償却に関する当面の監査上の取扱い』です。平成19年度税制改正において償却可能限度額および残存価額が廃止されたことにより、減価償却方法を変更する場合における取扱いや、既存資産の残存簿価の処理方法などの取扱いが明示されています。

また、『租税特別措置法上の準備金及び特別法上の引当金又は準備金並びに役員退職慰労金等に関する監査上の取扱い』も重要です。役員退職慰労金について、一定の要件を満たすものは引当金設定が必須となりました。

ソフトウェアの制作・販売を行っている会社は、『ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い』も重要となります。収益認識時点と表示についての取扱いが明示されています。


なお、会計の最新情報は、当社配信ブログ『CFOのための最新情報』にも適時掲載しておりますので、こちらも是非ご覧下さい。

2008年03月号

【会計info】会計基準のキャッチアップを!

会計基準のキャッチアップを!

今回は、平成20年4月1日以後に適用される新しい会計基準の概要をとりまとめました。 平成19年8月8日に、企業会計基準委員会は国際会計との共通化(コンバージェンス)を加速することを表明しています。今後も新しい会計基準の設定および既存の会計基準の改定が継続的に行われると思いますので、キャッチアップをお忘れなく!

平成20年4月1日以後開始する事業年度か適用の新会計基準

1.棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)

棚卸資産の評価について、従来、原価法と低価法の選択適用が認められていたが、通常の販売目的で保有する棚卸資産については、低価法に統一される。

2.リース取引に関する会計基準(企業会計基準第13号)

従来、所有権移転外ファイナンス・リース取引については、一定の注記を条件に、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理が認められていたが、当該処理方法が廃止される。また、不動産リースに係る取扱いが明示された。

3.連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い(実務対応報告第18号)

連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等については、親会社と子会社が採用する会計処理の原則および手続は、原則として統一する。

4.関連当事者の開示に関する会計基準(企業会計基準第11号)

従来より、関連当事者の範囲の拡大および関連当事者との取引等に関する注記の拡大が規定された。

5.企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(改正企業会計基準適用指針第10号)

子会社が親会社株式を交付した場合(いわゆる三角合併などの場合)の会計処理(共通支配下の取引に該当する場合)、親会社が子会社を株式交換完全子会社とする場合の会計処理(中間子会社がある場合)などについて、規定された。

6.四半期財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第12号)

金融商品取引法における四半期報告制度として四半期財務諸表の作成が行われる。四半期財務諸表に係る会計処理の原則および手続は、原則として年度の財務諸表と同じ会計処理を採用する。ただし、簡便的な会計処理および四半期特有の会計処理が規定されている。

7.四半期報告制度(金商法24の4の7)

四半期報告書の様式および開示内容が規定された(開示府令17の6①、4号の3様式(内国会社)・9号の3様式(外国会社))。

8.内部統制報告制度(金商法24の4の4)

「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令」が規定された。
平成19年10月1日付けで、金融庁総務企画局から「内部統制報告制度に関するQ&A」も公表されている。

9.確認書制度(金商法24の4の2、24の4の8、24の5の2)

有価証券報告書の記載内容の適正性に関する事項その他の確認書の記載事項・様式が規定された(開示府令17の5、4号の2様式(内国会社)、9号の2様式(外国会社))。



平成21年4月1日以後開始する事業年度か適用の新会計基準

1.工事契約に関する会計基準(企業会計基準第15号)

一定の要件を満たすものは工事進行基準を適用し、当該要件を満たさないものは工事完成基準を適用する。



平成22年4月1日以後開始する事業年度か適用の新会計基準

1.セグメント情報等の開示に関する会計基準(案)(企業会計基準公開草案第21号)

セグメント情報を開示する方法として、マネジメント・アプローチを採用する。マネジメント・アプローチとは、セグメント情報の開示に際して、経営上の意思決定を行い、業績を評価するために、経営者が企業を事業の構成単位に分別した方法を基礎とする方法。

2.持分法に関する会計基準(案)(企業会計基準公開草案第22号)

持分法の適用対象となる非連結子会社や持分法適用関連会社の会計方針についても、親子会社間の会計方針原則と同様に、原則として統一する。


なお、会計の最新情報は、当社配信ブログ『CFOのための最新情報』にも適時掲載しておりますので、こちらも是非ご覧下さい。

【参考文献】中央経済社『企業会計』(2008年2月号)をもとに、リガヤパートナーズが加工(情報は2008年2月15日時点)。

2008年02月号

【会計info】 平成20年度税制改正大綱発表!

平成20年度税制改正大綱発表!

昨年12月13日に自民党から平成20年度税制改正大綱が発表されました。税制改正大綱の主な内容は次の通りです。

▼企業に影響しそうなもの

●製造設備(主に機械・装置)の法定耐用年数の抜本的見直し
●中小企業の後継者の事業承継税制の拡充
●「法人事業税」の一部を分離し、「地方法人特別税」「地方法人特別譲与税」を創設
●研究開発税制の拡充
●情報基盤強化税制の拡充
●エンジェル税制の大幅拡充
●工事収益の計上方法等の見直し
●中小企業投資促進税制の適用期限を2年延長
●交際費等損金不算入制度の、中小企業者に係る400万円定額控除の適用期限を2年延長
●使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用を2年延長
●欠損金繰り戻し還付不適用制度の、中小企業者の設立後5年間に生じた欠損金額に係る適用除外措置の2年延長
●中小企業者等の少額減価償却資産の取得価格の損金算入特例の2年延長
●固定資産税において、「償却資産の評価額<理論帳簿価額」の場合に、理論帳簿価額を償却資産の価格とする制度の廃止

▼個人に影響しそうなもの

●株式譲渡損益と配当所得の損益通算の実現と軽減税率(平成20年末まで10%、本則20%)の存廃。但し、平成21年、22年は年間500万円以下の譲渡益及び100万円以下の配当については軽減税率10%を適用。
●「ふるさと納税」導入
●住宅の省エネ改修促進税制(固定資産税の減税)
●「200年住宅」(長期耐用住宅)に係る課税の特例の創設(固定資産税、不動産取得税の軽減)
●生活習慣病への対応や医療機関の分娩施設に係る課税の特例
●自動車税のグリーン化の2年延長

▼その他

●農商工連携等促進税制の創設
●道路特定財源の暫定税率維持(特例措置10年延長)
●公益社団・財団法人の非課税枠拡大
●寄付金税制見直し
●トン数標準税制

▼2009年以降に見送った項目・今後の検討項目

●消費税率引き上げ
●相続税の総合的見直し
●所得控除の抜本見直し
●環境税導入
●自動車関連諸税の簡素化
●生命保険料控除の拡充
●介護費用に係る税制措置
●納税者番号制度
●上場株式等の譲渡損失と配当との間の損益通算(平成21年度)
●取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度の創設(平成21年度)



この中で、特に注意が必要なのは、「製造設備(主に機械・装置)の法定耐用年数の抜本的見直し」です。現在390区分されている耐用年数区分が55区分にまとめられます。米国では48区分、韓国では26区分ですので、区分を簡素化するとともに、時代遅れとなった法定耐用年数を見直すように経団連などが指摘をしていました。
当見直しは、平成20年4月1日以後開始する事業年度より適用される予定ですので、経営者の方、経理担当者の方は十分にご注意下さい。

なお、今回の「税制改正大綱」は、税制通のベテラン議員が集まる「自民党税制調査会」において決定されたものですが、税金は国会で決めなければならないものですので、今後の国会審議動向により内容が変更することがあります。
(情報は、平成20年1月20日時点)
出処:自民党「平成20年度税制改正大綱」を元にリガヤパートナーズがまとめました。