【世を読む】 2007年の株式新規公開市場を振り返る
2007年に株式を新規公開した企業は121社でした。8月に新市場「NEO」が創設され、2007年中に3社が上場したものの、全体では2006年の181社上場に比べると3分の2となりました。証券会社・取引所の上場審査や監査法人の会計監査が厳格になっていることが影響していると思われます。企業不祥事や不正会計が相次いでいますので、審査・監査の厳格化は今後も続くと思われます。日経が市場関係者等に行ったアンケートによると、2008年の新規公開が2007年により減少すると予想している人が約6割、100社を割ると予想している人も約2割にのぼりました(日本経済新聞 平成20年1月4日より)。
公開時の調達額も、平均で14億円と前年より半減しました。半数近い企業(60社)が5億円未満の資金調達であり、資金調達を行わなかった企業(公募増資なし)が4社ありました。また、初値が公募価格を下回る、いわゆる「公募価格割れ」の銘柄が29社(24.0%)もありました。「公募価格PER」(公募価格÷1株あたり利益)は平均18.2倍と、前年の32.2倍から大幅に低下し、「公募価格PER」が20倍未満の企業が88社(72.7%)となりました。投資家の「IPO銘柄ブーム」は完全に消滅したように思われます。
さらに、注目すべきは2007年に新規公開した企業の社長の中に、20歳代の社長がいなかったことです(2006年は3社)。60歳代が39社(32.2%)と最も多く、平均は52歳でした。一時期のように若手ベンチャー社長が脚光を浴びることがなくなってきました。
2008年は、内部統制の義務付け、経営者確認書制度の導入、四半期決算の本格導入、決算早期化の実施、「XBRL」(“key礎word”参照)の導入等、既存の上場企業にとっても大変な一年となることが予想されます。新規公開を見合わせる企業も出てきていると思われる中、ここ数年間続いてきた大量新規公開時代は転換期を迎えたといえるのではないでしょうか。
(注:文章中のデータはQUICKデータを参考にしました。)



