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2008年10月号
2008年08月号

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| 『法廷会計学VS粉飾決算』 公認会計士 細野祐二著 2,310円(税込)/日経BP社 |

監査法人は、パートナーと呼ばれる出資者である「社員」が、無限責任を負うことになっている。しかし、監査業務の専門化、高度化の進展によりそれぞれの社員が全ての監査法人の業務を相互に監視することが困難となってきたため、2004年4月1日に指定社員制度が導入され、法人と連帯して無限連帯責任を負う社員を法人の指定する監査証明業務を行う社員に限定することができるようになった。さらに、2008年4月1日からは、そもそもの指定社員のみが無限責任を負担し、監査法人は出資の額を上限とする有限責任しか負担しない有限責任監査法人制度が導入された。
2008年7月1日、新日本有限責任監査法人が日本初の有限責任監査法人となった。
「皆さん、こんにちは!! 監査第6部の明智です。今回の研修では、皆さんに不正の事例を参考に、どのような内部統制を構築すればよいのかを考えて頂きます。そろそろ本格的に内部統制監査が始まりますので、自分が行くクライアントを想像しながら考えるとよいでしょう。それでは、早速ですが・・・。」
ここは、しあわせ監査法人の社内研修が行われている会議室。内部統制監査を控えたこの時期、明智は、入社1~3年目を対象とした研修の講師を任されることになったのである。
「では、まず、簡単なところから、現金・預金にまつわる不正からいきましょう!! 事例としては、『ある会社の経理担当者が、少しずつ、かつ、何度にもわたり小口現金を払い出しては、自分の金として流用し、会計上は、架空の経費などで処理していた。何年後かに税務調査によって架空経費の存在が明るみになり、経理部長の現金流用が発覚した。』ということですね。この不正事例について、どのような内部統制が望まれるでしょうか? それでは、当てます。そこのあなた、どうでしょうか?」
「はい、この事例は、経理担当者による小口現金の横領というものですが、小口現金の取り扱いが経理担当者1人に委ねられていたという点に問題があったと思います。したがって、実際の小口現金の取り扱いは経理担当者に任せるにしても、上司がその業務を承認することが必要だったと思います。」
「その通りですね。他に何か問題はありますか?ではそこの君。」
「はい。そうですね~、『会計上は、架空の経費などで処理』とあるので、この小口現金の担当者が帳簿の記帳も任されていたのではないでしょうか?それがいけなかったのだと思います。」
「そうですね。これもその通りです。では、この事例での問題点と解決策をまとめてみましょう。まず、横領されやすい現金の管理を全て1人の経理担当者に任せていたという点に問題があります。もし、この会社の経理部署にこの経理担当者以外に小口現金を取り扱う人がいたり、小口現金の払い出し時に『申請書』などの書類によって承認活動が行われていれば、易々と現金の横領はできなかったでしょう。また、現金の取扱者と帳簿に記帳する担当者を分けることや定期的な現金実査も重要となります。この事例でのポイントをまとめると、
①現金の取扱者とは別の承認者を設置する
②現金の取扱者と記帳担当者を分ける(もしくは、記帳時の仕訳入力に対して上司が承認する)
③定期的に現金実査を行う、という3つが挙げられます。」
会社の小口現金、大丈夫ですか?・・・
【登場人物】